──がたん、ごとん、かんかんかん。 |
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毎日、毎日、彼女が朝と晩に聞いているレールの音。 エリスは、あまり好きじゃないみたい。 (毎日、こうしてる気がするなぁ……) エリスは思います。 (転職してみようかな。 こんな時、エリスは少しだけ思い浮かべます。 うん── 彼らは、彼らで、大変かもしれません。 (同僚の女の子とのおしゃべりも楽しいけどいつもじゃ疲れるし、定時が来ても残業で遅くなるし、こうして朝晩、満員のモノレール車輌に揺られて……) (うん。 エリスは思います。 そう思った時、モノレールにブレーキがかかって。 ──エリスは決めました。 ぷしゅ、と扉が開いた途端に車輌内の人混みと一緒に外へと出ます。ぷはっ、と息を吐きながら、歩く人間でできた波のようになっているホームを掻き分けるみたいに、進んで。 歩きます。 「いらっしゃいませ。 肌も露わな美人のウェイトレスさんが出迎えます。 エリスは不機嫌そうな顔で注文します。 と── つかつか歩いて、カウンターに腕を乗せようとしたエリスのすぐ真後ろで、誰かの声が聞こえました。声の主は、カウンターの奥にいるマスターさんに何かを話している最中だったはずの誰かです。 声の主は何を話してるんだろう。 「聞いてくれよマスター。 「へえ、そうかい」 「荒事で仕事落とすなんざ、命取りなんだぜ。わかるかい。 「お疲れかい」 「そうでもないさ。 自慢をしてるのか愚痴を言ってるのか、声の主の話すことは、なんだか妙な物言いに思えてしまいました。 ふと。 エリスは声の主の顔を見たくなりました。
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[sekien no inganock -what a beautiful people-] Liar-soft 21th by Hikaru Sakurai / Ryuko Oishi.
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