──暗雲に満ちた世界の東に大国あり。 国の名は“王侯連合”。 ともすれば容易に分裂しかねない国家体制を、強大な軍事力と財力とで支える7名の大貴族“選帝侯”。 それ故に、 世界を二分する力のひとつの頂点として、
そして現在。 年若く野心と欲望に溢れた貴族たちを戸惑わせる事件が起きていた。流れ星のように颯爽と、優美に、社交界へと現れたひとりの男がいたのだ。 爵位は1級男爵。 顔立ちは美しく、振る舞いは典雅に。 それだけでも……。 さらに、あろうことか彼は“選帝侯”のひとりであるラムレイ大公家の親族であるというのだ。ラムレイ大公その人の覚えも良く……。 あまつさえ、第2首都を預かる支配貴族である筆頭公爵タインズマンの令嬢から恋文を渡されたとの噂さえ……! 『あれは何者だ』 『叩いてみても埃ひとつ落とさない』 『言葉に訛りがひとつもない。 『ラムレイ公爵領内という噂だが……』 『馬鹿者が。 『何者なのだ。どこから来て、何をしようというのか』 『まさか……。 『馬鹿な馬鹿な馬鹿な』 『嫡子を成人まで隠しておくか! 『王侯連合碩学連とすら繋がりがあると聞く。 『2級子爵が決闘を申し込み、返り討ちにあったと』 『軍務経験のある、彼を、返り討ち……?』 『そんな』 『このままでは……。 『しかし、しかし……しかし! 『おのれ……』 そんな噂が第2首都の社交界に群がる青年貴族たちの口にのぼり、もう1ヶ月も過ぎた頃だろうか。 |
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「まあ、またご冗談を仰ってからかって。 「冗談ではありませんよ。姫」 「もう、もう! 「失敬」 支配貴族タインズマンの令嬢を前にしても、彼はいつもの調子を崩すことがない。その余裕ある風貌、自信に満ちた言動が貴婦人たちをいっそう惑わせる。 不躾なほど長く伸びて顔にかかる前髪が、 フランチェスカは口の中で「意地悪」と小さく呟く。 「私の唇からこぼれる言葉はすべて真実。 「今度は西亨語。 「帝国の碩学たちに比べれば私など浅学の身です。 「帝国……。 帝国の話。 「ご所望とあらば。 「もう。ご冗談はそのくらいでお許しになって? 「はて──」 「くすくす……」 「これは参った。 「笑ってしまったのはあなたのせいよ? 冗談じみた空想話を交わすふたりの男性。自分の父親と、この美しく誇りに満ちた男爵。 男性というものは。 「これは失礼」 「ええとね、男爵様。 「お話しいたしましょう。 「……まあ、驚いた。貴婦人がたの話題もご存知なの? 「私は、あそこに忘れ物をしていましてね」 「忘れ物?」
「ええ。
そう言って微笑む彼の見上げた空。 ただ暗く。
すべてを覆い尽くす夜の黒と暗雲の黒が、広がって──
(TO BE CONTINUED "NEW WINGS"...) |
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近日、詳報を公開いたしますので、今少しお待ちください。
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