2011.12.09 キャスト表にボイスサンプルを追加。こちらからご確認ください。 |
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※本文中の画像をクリックすると大きめのサンプルが別ウインドウで開かれます。 柔らかな光があった。 この時代、人類は機関(エンジン)なるものを得ていた。 蒸気機関である。 20世紀初頭、190X年たるこの現代社会を、あるべき《史実》すなわちあなたたちの知る歴史から大きく歪めることとなった技術である。基本的な原理はそう変わらないが、何せ、この時代、この世界、蒸気機関はあらゆるものを“強化”するに至った。 人々は空を失った。 なのに── 『空が、見える気がします』 柔らかな光が言った。 男は肩を竦めて、言った。 「そうだな。お前には見えるだろう。蒼天の世界が」 『青い空の世界?』 「ああ。そうだとも。蒼天。青。既に我らは空の青を失ったが、かの異境、英国北海の彼方にあるカダス地方。その更なる彼方の未知の領域には、未だ、あるんだ」 『青が』 「ある。青い空。青い海。そして、無限の星々が」 『私/我々は、情報書庫(データベース)を検索する必要性を感じています』 「勝手にしろ」 男は再び肩を竦める。 柔らかな光は何かをした。 画面6つ。どれもこれもが砂嵐の如き無機質なものしか映し出さない。
──蒼天を仰ぐ、ふたりの娘の姿だった。 柔らかな光が揺らぐ。 『これが、青い空』 「そうだ」 『これは』 「どうだ。何かを感じることがあるか」 『これは……』 柔らかな光は何も言わない。 そして、ふたつめの画面が本格起動する。
──蒼天の下に在る、ひとりの女だった。 柔らかな光が揺れる。 『ああ。これも』 「そう。それも。どうだ。お前はこれに何を思う」 『ああ』 「ああじゃわからん」 男は嗤う。 『私/我々は、この思考ノイズを表現する言葉を持ちません。しかし、何か。私/我々はその言葉を存在基底に固着させる必要性を感じています。これは重要事項です』 「興奮するな。落ち着け」 男は言った。 「是なるは、遥か彼方の異境の物語。 『空の名。それは』 「──遙かなる異境。眩い世界。名は、蒼天のセレナリア」 (つづく)
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