「キカテ、こんにちは」
「くるっぽー。ハトも一緒ですよ」
「やあ、ナチュ。よく来たね。今日は何か話を聞かせてくれるのかな? それとも、何か話を聞きに来たのかな?」
「はい、今日はこの世界のことをお話に来ました。他の世界の皆さんが来る前と、来てからどんな風に変わったのかを」
「へぇ、それは面白そうだね。是非、聞かせてもらいたいな」
「元々は、別にこれといって何もない場所だったですね。侘助も言ってたですよ。『ゲー、すげーど田舎。何もないじゃん』って」
「そ、そんなことないよ! 侘助さんは不満があるみたいですけど、他の人は『ずっとここにいるのも良いよね』って言ってくれてたよ!」
「年中ポカポカ暖かくて。綺麗なお花は咲き乱れていて。食べ物にも困らない、素敵なところだって」
「あー、そういえば。天国だとか、楽園だとか、そんなこと言ってたですね。まぁ、ここでは住む家があれば、適当にダラダラしてても生きていけそうですし」
「……はて? なのに、どうしてナチュは家も持たないで旅してたですか?」
「え、わ、忘れちゃったの、ハト?」
「鳥頭を舐めないでいただきたいです! そもそも、どうしてあたしはここに? ああ、お豆、あたしはお豆をついばまないといけないですのに」
「この世界のお話をしにきたんだよ、ハト!」
「そうでしたっけ?」
「そうだよ、その途中でハトが、わたしが旅をしていた理由を忘れちゃって……」
「そんなはずないですよ! ナチュのマブダチであるこのあたしが、旅する理由を忘れるなど酷い言いがかり! このハトに限ってそんなことはありえないです!」
「……はぁ、分かったよ、もういいよ」
「ああそうだ。せっかくだし、ついでにナチュが一人で旅をしていた頃の話も、久々に聞かせてくれないか?」
「はい、いいですよ」
「他の世界の人たちが来る前からずっと、ナチュはいろいろな場所を旅して回っていたんだよね」
「はい。わたしは家族がいなかったから、どこかにいるんじゃないかと思って。でも、どこにもわたしの家族を知っていそうな人はいませんでした」
「行けそうなところは、もうほとんど回ってたですよね。世界の果てまで行ったのに何も手がかりがなくて、ナチュはガッカリしてたです」
「あ、確かその時だよ。突然ノブさんがやって来たのは」
「呼んだ?」
「わぁ!?」
「やあ、ノブ。まるであの時と同じようだね」
「あの時? なんだっけ?」
「初めて会った時のこと、ノブさんは覚えてないみたいですね。わたしたちはすごく驚いたんですよ」
「そうだね。今まで見たことも聞いたこともないような人が突然現れて。もしかしたら君たちこそ、世界の果てから来た人なのかもと言っていたのさ」
「後で他の連中からも話を聞いてみたら、世界の果てどころか、他の世界だって言うですから、さらに驚きものでしたよ」
「そう! ここにはあたしたちの学園にはなかった、不思議がいっぱいありそうなのよ! だって、ウィキで調べても何も載ってないんだもの!」
「だから、私は立ち止まっていられないの! 世界の不思議を全部発見しつくしてウィキ編集者として、ジミーに認められるまではね!!」
「じ、ジミーって、どなたですか?」
「ジミーを知らないの!? 神様みたいな人だよ!」
「か……みさま……?」
「そうそう、彼はインターネットを使って、新世紀のアカシックレコードを創造したゴッド――」
「……むむ! 私の不思議アンテナが不思議波動を不思議感知! ピコーン! ピコーン! こ、この反応はきっとレティクル座の宇宙人だわ!」
「じゃあね、ナチュ! ジミーについてはまた今度語りつくしてあげるから!(だっ!)」
「あ……、い、いっちゃった」
「はて、レティクル座の宇宙人とは、なんだろうね?」
「さ、さぁ……?」
「……また、厄介なのでないと良いですけどねぇ。他の世界とやらのせいで、ここもすっかり様変わりしたです」
「そうだね、これまではなかったものが突然出現したりするのには、驚くばかりだね!」
「昨夜まではなかったはずの巨大な絶壁が突然出現したり、海では山のような船、アルバトロス号が浮かんでいるなんて、話に聞くだけでもワクワクするよ!」
「キカテさんはこれまで聞けなかったような話が聞けるって喜んでますけど、実際にそこに行ってるわたしは大変なんですよ……?」
「何度も死にそうになったですよね」
「独孤求幼なんて変な人に襲われたり、白い怪物に追い回されたり、心臓が止まっちゃいそうな思いを何度もしたよ……」
「そうだね、そういう話もたくさん聞いたね。恐ろしい病気が流行ったり、怪物が現れたり」
「それどころか、外の連中自体が好き勝手に暴れたりして、村の人も困っているです。美育学園とか、八鏡大学とか、あいつらどうにかならないですかね?」
「他の世界の人を悪くばかり言ったらダメだよ。いい人もいっぱいいるもん」
「ギーさんは怪我を治してくれるし。俊作さんは怖いものから守ってくれたし。クロさんはお船に乗せてくれたし。園美ちゃんは優しいし」
「うん。私が聞いた彼らの話も、良い話ばかりだよ。悪いことをする人もいるけれど、彼らは助けてくれるとね」
「はい、とても良い人たちです! だからかな、彼らといると、本当に楽しいんです!」
「うん、ナチュは彼らと出会って、前よりもずっと良い笑顔を見せるようになったよ」
「えへへ」
「だから、大変な思いもたくさんしますけど、皆さんが元の世界に戻れるように、私も一生懸命この世界を案内したいと思います!」
「それでまた面白い体験をしたら、私に聞かせに来てくれよ」

「はい!」

「彼らといえば……ナチュ、そろそろ行かないと、皆が待ちくたびれるですよ?」
「あ、そうだった。それじゃ、キカテ、また来ますね!」
「土産話を楽しみにしているよ〜」



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