漆黒のシャルノス 用語集・世界観
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機関都市ロンドン


  英国首都。北方の異境であるカダス地方との技術的及び物資的交流が唯一行われている都市であり、
英国の中心にして、欧州における機関文明の中心地でもある。
第2次産業革命こと「機関革命」の後に最大級の機関工業都市として発展し、
霧と排煙の充ちる「機関都市」と呼ばれるまでに至った。
今や、ロンドンは歴史的建築物と高層建築、そして複合超高層高架が立ち並ぶ機関都市であり、
機関と排煙のないエリアは存在しない。
  旧来の支配層である貴族階級の栄華に加え、野心的な中流階級の企業家たちの隆盛も華やかになりつつあり、
日々、工業と文化の発展が続いているという。
  1905年現在、未だ健在のヴィクトリア女王による治世が行われている。

シャルノスコラム2

シャルノスコラム7

王立碩学院
  ロンドン、シティエリアに佇む王立施設。
  英国及びカダス地方を含む諸外国から招聘された優秀な碩学たちが教授職を勤める、特殊高等教育施設である。
優秀で若い頭脳を保護し育成し、国家と王室の発展に貢献する碩学を効率的に排出することを目的として、
1889年、碩学排出へと方針変換を行ったパリ大学に対抗する形で設立された。
  英国王室の管理下にあり、学生たちは一切の学費が免除される。
  大学以上の教育を謳っているが、あくまで碩学の早期育成のみに着眼したシステムであるため、
必ずしもすべての点で大学に勝る訳ではないが、機関工学や数学、
及びカダス遺跡研究については欧州最高の学府であると言っても過言ではない。

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隙間

  ロンドン、クリスタルパレス跡公園の直上には、灰色雲から僅かな隙間が覗いている。
隙間が確認できるのは、不可解なことに跡公園でのみであり、一歩でも外に出ると何故か見えない。
  こういった不可解な場所が、世界各国の主要都市に必ず一箇所は存在しているという。
  噂では、隙間に「青空」が見えるという。けれど、冗談でそう言う人はいても、
実際に見えるという人間は誰も現れていないという。見えるのは、隙間から差し込む陽光のみ。
  青空の意味するところを皆が失ってしまっているのだ、それが故に人々は目にすることができない──
とフランスの詩人は語る。

シャルノスコラム4


陽射し

  空が見えるほど灰色雲が割れて「隙間」が生まれるのはロンドンでも一箇所のみであるが、
時折、ほんのわずかな雲の裂け目から「陽射し」が降り注ぐことがある。
  フランスはパリ大学に在籍する高名な碩学であるキュリー博士の研究により、
この陽光には人体及び肌に有害な紫外線なる光線が混ざっているとの発表が成されたが、未だに信じる者は多くない。
  灰色の空から時たまに降り注ぐ「陽射し」を目にした時、多くの成人男女は、望郷の念を覚えるとも言われる。

カダス地方
  1822年、北海の果てで発見された異境。機関技術に溢れた2つの大陸を有し、2つの巨大国家から成る。
英国は巨大国家のひとつ「北央帝国」と1825年に条約を締結、国交を開始している。
  チャールズ・バベッジを初めとする英国から帝国へと流出した優秀な人材たちは
碩学としてさまざまな機関の発明と成功を収め、やがて世界全土に「機関革命」を発生させるに至った。

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■Technorogy

機関(エンジン)

  あらゆる機械の動力であり、高度な演算を果たす計算機であり、情報処理機械でもある、
1905年現在の欧州全土における文明の要。
都市ロンドンも例外ではなく、機関はエリアのあちこちに顔を出す。
  外燃機関であり、大型であればあるほど出力を増す。
  貴族の邸宅やウェストサイドの機関工場、シティエリアの各大企業には大型から超大型までの機関設置が認められている。
裕福な中流階級であれば中型から小型の機関が各戸にひとつずつ設置され、
下流であれば地区ごとに設置された大型機関に繋がる導力管によって日々の生活のためのエネルギーを得ることになる。
  欧州では1690年頃に発明された機械技術である。

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工場製機関機械
  都市に充ちる機関工場で大量生産される機械のこと。
機関が動力や計算・情報処理機械として必ず用いられているため「機関機械」と呼ばれる。
大量生産に耐えうる設計が求められるため、高度かつ精緻な設計で作られる碩学機械ほどの性能の機械は生産されない──
という通説がかつては存在していたが、近年の技術革新により飛躍的な品質の向上と技術力の拡大が行われ、
携帯型の電信通信機(エンジン・フォン)を初めとする精密機械が大量生産され始める時代が訪れている。

碩学機械
  碩学独自の理論と思想によって作られた機関機械。大量生産を前提としていない、
基本的にワンメイドの発明品である。カダス地方から流入した「インガノック・テクノロジー」なる
革新的技術の到来によって工場製機関機械がその性能と精度を上昇させつつある現在でも、
未だに多くの碩学機械は工場製品とは一線を画した性能を誇っている。

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碩学

  あらゆる科学者を指す尊称。
  人類の発展を担う希少な人材であるとされ、人々からは常に尊ばれる。
  カダス地方では碩学協会と呼ばれる国家組織がほぼすべての碩学を管理しており、
難関と言われる試験によって優秀な頭脳を選定しているという。
英国においても同様の管理計画が発案されているものの、未だ試験制度などは存在せず、
個人の実績を鑑みて碩学位の称号を与えるという方式に留まっている。

電信通信機(エンジン・フォン)
  電気信号に変換した文字情報や音声を遠方へと伝える機関機械。
電気は勿論、機関の動力から発生させている。送信側と受信側の双方に同機能の機械が必須であり、
片方だけては通信が成立しない。
  かつては電信文をカード式で送るものが殆どだったが、1905年現在は、
声を送受信して遠方との会話を成立させる会話式電信通信機が主流である。
機関都市ロンドンにおいては特に一般化が進み、持ち運びが容易な携帯型の電信通信機を多くの市民が所持している。
中流階級の子女の間では、宝飾品ブランドから発売されている宝石つきの電信通信機が流行しているという。
かつては大きな台を必要とした通信機も、今や持ち運び、ファッションの一部でさえあるのだ。

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篆刻写真

  細かな点で描かれた写真。
  機関式篆刻描画装置によるプリントアウトのことを指す。人物や風景を写して記録することができる。
  機関都市ロンドンにおいては、街角に設置された証明写真用篆刻機関を用いて、
恋人や友人同士で写真を撮るのが流行している。

地下鉄
  英国は完全なチューブ状態を形成した地下鉄の開発に成功しており、ロンドンの地下を走らせている。
地下鉄とは、機関で発生させる高度に圧縮された蒸気を噴出させ、その圧力で車輌を撃ち出すという、革新的な移動機械である。
  ロンドン市民の多くが、都市を暮らすための足として使っている。

馬車
  地下鉄に並ぶ市民の足。
  辻馬車は未だに隆盛であり、ガーニー運用のために1903年の時点で一斉全面整備されたロンドンじゅうの舗装道路の上では、
今日も蹄の音が鳴っている。

蒸気機関式ガーニー
  蒸気機関を利用した地上移動機械。新大陸では「自動車」と呼ばれている。
  おおむね走行輪によって移動する。大量生産品の多くは四輪であるが、
碩学が作る機械には一輪や二輪のものも存在し、走行輪でなく多脚であることすらある。
  これを運用するために既に全道路の舗装工事が行われたロンドンとはいえ、未だ、
個人所有の車輌は珍しい部類に入り、速度のあまり上がらない初期型ガーニーが
比較的高価な有料の公共車輌として運用されていることが多い。
  一方、広大で未開地の多い新大陸では輸送機械群がめまぐるしい発展を遂げており、
高速移動用ガーニーの生産も試験的に開始されている。
ロンドンにおいては貴族や一部の中流階級の人間がこれらの高速ガーニーを足として使用しいる。

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  ロンドンの女性がよく用いている煤よけの道具。
機関工場や家庭用機関から吐き出される排煙に混ざる「煤」が髪や服に付着することを嫌った中流階級以上の女性たちが、
たしなみとして持ち歩いている。
  雨傘に近い形だが、装飾を施して服と同じようにお洒落を楽しむ人が多い。
貴族など上流階級の女性は、宝石や高価な非機関製レースで装飾した傘を用いる。

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■etc.

蒸気病
  機関排煙を吸い込み続けることで発症する、呼吸器を致命的に侵す病気。機関のあるところこの病がつきまとう。
  ロンドンをなどの機関都市では特に顕著な増加傾向にあり、社会問題となっている。





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