・ 学園施設紹介・最終回 『H.B.ポーラースターの秘密?』 ・ 《ポーラースターのティーパーティー》 ・ ニコル 「なあヘレナ? いつになったら施設紹介とやらは始まるんだ?」 ヘレナ 「わたしに聞かないでよ!」 クローエ 「……」 ニコル 「あーあ、鼻の下デレデレ伸ばして。見ろよヘレナ。わざわざケーキ運んであげてる。アーンって」 ヘレナ 「な、なんてお行儀の悪い!」 クローエ 「……」 ニコル 「でもホントはヘレナも羨ましいんだろ? してほしいか? アーンってさ。アーン、ほらアーン」 ヘレナ 「や、やめなさいニコル!」 ニコル 「じゃあコロ。はい、アーン」 コローネ 「オンッ(もぐもぐもぐ)」 クローエ 「……いいじゃない。ゲーム本編が始まるまでの束の間の休息といったところよ」 ニコル 「まあ、それもそうか。しょうがないから、あたしたちで適当にやろうぜ」 ヘレナ 「はぁ……進行を円滑に保つのも風紀委員のつとめね」 ニコル 「秘密っていえば、アレだ。ホーミング・フィギュアヘッド」 ヘレナ 「なあにそれ?」 ニコル 「知らない? 2年前の入学式で学園長が蹴り落とした船首像の話」 ヘレナ 「それはもちろん知っているけど……唖然としたわよ。レセプションで、全長千2メートル、千2メートルって何度も繰り返されているうちに、いきなり学園長が席を立って……数字がハンパで我慢ならなかったって、それだけなのよ?」 ニコル 「ハハハ……で、その船首像がね、今でもうらめしそうに涙を流しながら、この船のうしろを泳いでついてきてるんだって!」 ヘレナ 「秘密じゃなくて怪談じゃないの!」 ニコル 「その船首像ってさ、クローエそっくりだったって目撃談もあるんだけど、どうなの?」 クローエ 「ノーコメント」 ヘレナ 「秘密といえば、ジラルドさん? この船の船倉の奥深くに、限られた者しか入室できない秘密の賭場があるっていうのは? 職員もこっそり出入りしてるって話よ?」 ニコル 「いやあ、どーだろね……ヘレナと杏里専用の秘密の花園が、学園各所にあるくらいだから。ヘレナってば声が大きいんだよね」 ヘレナ 「そ、そそそそそそんなの関係ないでしょ!」 ニコル 「否定はしないところが可愛いよなあ、コロ?」 クローエ 「時々、目をつぶって線を引いていたくらいだから。どんな区画があるか知れたものじゃないわ」 ヘレナ 「……それって、もしやこの船を設計されたお父様のおはなし? 近頃はコンピューターで設計するものと思っていたわ」 クローエ 「お兄さまはそうよ。でもお父様は、古いものや、意味のないものや、手間のかかるもの、そういった人間の匂いのする有象無象のものが大好きなのよ」 ニコル 「よく浮いてるなあこの船───って、いけね」 ヘレナ 「……ジラルドさん? 今、とっさに隠したものは何です? まさかタバコじゃないの?」 ニコル 「何でもいいじゃん。いや、少なくともタバコじゃないって」 ヘレナ 「またそういう禁制品を! どこから手にいれるのかしら、まったく。お見せなさい、いいからお見せなさい!」 ニコル 「ちょ、ちょっと待ってよ、やばいってヘレナ! 向こうの様子がおかしい。みんな、テーブルに突っ伏したままケタケタ笑ってる!」 クローエ 「……あら、アンシャーリー?」 アンシャーリー 「あたしは何も入れていないわ? 悪いおクスリは」 ヘレナ 「バ、バンクロフトさんっ!?」 ニコル 「三月うさぎは誰だ? 耳の長いアイーシャ? む、年中発情してる杏里って線もある?」 イライザ 「まあ。お出しした記憶のないお菓子が───ちなみに私は、眠りネズミのヤマネさんがお気に入りですわ」 ヘレナ 「洒落ている場合じゃないでしょ! ちょっと、大丈夫?」 アン 「わたしは不思議な国のアンシャーリー」 ニコル 「キチガイ帽子屋だろ?」 ──────混乱のうちに了。
──────混乱のうちに了。