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イライザ
「ヘレナ様、お茶が冷めてしまいますわ」 |
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杏里
「イライザ、キミもお茶ばかり薦めてないで自己紹介をどうぞ」 |
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イライザ
「あら、私には特にお伝えするようなことはございません。胸も標準サイズですし」 |
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ヘレナ
「む、胸は関係ないでしょ!」 |
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杏里
「でもイライザには、波乱の人生という大きなアピィルポイントがあるじゃないか?」 |
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ヘレナ
「そんな他人の不幸を不謹慎な!」 |
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イライザ
「……なるほど、確かに杏里様のおっしゃる通りですわね」 |
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ヘレナ
「ランカスターさんまで!」 |
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イライザ
「気になさらないでください、ヘレナ様。それに私は今の境遇を、不幸とは感じておりませんし」 |
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イライザ
「コホン……私は、世界有数の貿易商の一人娘として、杏里様たちと共にこの学園に入学いたしました。けれども、セカンドクラスへの進級時に、両親が事故で行方不明となり、本国の屋敷も財産も、何もかもを失ってしまったのです。残ったのは多大な額の不渡り手形でした」 |
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ヘレナ
「あの時は、クラス中が大騒ぎになったわね」 |
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イライザ
「再び本国に戻っても、取り立て屋に何をされるかわからない。そこで、外部の手の及ばないこの学園で、特別にメイドとして雇っていただいた……というわけです」 |
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杏里
「イライザが、突然メイド姿で現れたときはボクも驚いたよ。取り巻きを引き連れ、冷ややかな視線で学園を闊歩していたイライザも美しかったけど……」 |
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イライザ
「杏里様ったら、そんな過ぎた話は……(真っ赤)」 |
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杏里
「メイドになった今でも、きみの美しさは少しも曇ることはない。新鮮な驚きだったなぁ……」 |
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ヘレナ
「そんな驚きは杏里だけよ」 |
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イライザ
「このくらいで勘弁してくださいませ。そろそろヘレナ様のお話しに戻らなくては」 |
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ヘレナ
「私? 私はもう話すことなんて」 |
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イライザ
「あら、色々聞いておりますわ。入学3日目のサウナで杏里様と……」 |
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ヘレナ
「杏里! あなたって人は何を喋ったの!」 |
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杏里
「え、え? 何も話したりなんか」 |
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イライザ
「夏のバカンス。人気の消えた船内。二人は一週間ずっと同じベットで……」 |
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ヘレナ
「ももももうっ杏里のバカバカバカ!
恥ずかしいッ」 |
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杏里
「うわ、やめてよヘレナ! イライザも、どうして知ってるの?」 |
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イライザ
「さあ? うふふ……」 |
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ヘレナ
「杏里のバカバカバカバカバカッ!!」 |
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杏里
「さあ……って、わっわわっ!!
堪忍してよヘレナ!
えーい、かくなる上は秘技・杏里スペシャル!」 |
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ヘレナ
「えッいやッ、何をするの杏里! ちょっと、そんなところを! おやめなさ……あああっ」 |
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杏里
「イライザっ! ボクはヘレナを『説得』するために部屋に戻るから、あとよろしくね」 |
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イライザ
「はい。こきげんよう、杏里様、ヘレナ様。
私も、多忙な身ではありますが、微力ながら杏里様の捜査のお手伝いをさせていただきますわ。身の回りのことですとか、あるいは先ほどのように小耳に挟んだ噂話ですとか……」 |
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ヘレナ
「ニェット! ニェーット!
アアンッ! あぁ…………」 |
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イライザ
「あら。あんなに嬉しそうな声をあげて、ヘレナ様ったら……
さて次回は、残る杏里様の子猫ちゃん、クローエ・ウィザースプーン様と、アンシャーリー・バンクロフト様をご紹介いたします。
施設紹介も再開。海鳥たわむれる『購買部通り』の様子をお届けいたします」 |
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イライザ
「……それと申し忘れました。こちらのページにて、私達のサンプルボイスを公開中です。お休み前にどうぞお聞きになってはいかがですか? 皆様のお気に入れば幸いです」 |
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イライザ
「それでは来週まで───杏里様のお国の言葉で───サヨナラサヨナラ?」 |