キャラクター紹介第3回 『アルマ・ハミルトン』

杏里
「グダー!(スウェーデン語でこんにちは!)
 2週間ぶりのお楽しみ、キャラ紹介の時間だよ! さて今回は花も恥じらうお嬢様、箱入り娘になお鍵かけて、大きなつづらと小さなつづら、桐のタンスももってけ泥棒! アルマ・ハミルトン!」
アルマ
「みなさまお初にお目にかかります。アルマ・ハミルトンと申します」
杏里
「スウェーデンの林業王の令嬢で、ソヨンと同じファーストクラス。つまりボクの後輩というわけさ! 素晴らしい!」
アルマ
「お誉めにあずかり光栄です。でも、どうして後輩だと素晴らしいのですか?」
杏里
「だって、キミはボクよりも年下ってことじゃないか。これはアンリエット的に見ても非常に重要なコトだよ」
アルマ
「そうでいらっしゃますの……はっ。それは、ひょっとすると“レズビアン”と関係が?」
杏里
「おおいにあるよ」
アルマ
「……あの、みなさん杏里様の噂をされるときは頻繁にレズ、レズ、と口にされますのに、わたしには教えてくださらないのです。辞書を引いても『レズ、レズビアン、女性の同性愛好者』とあるだけで……」
杏里
「ウィ。それはね、このボクみたいに女性を愛する女性のことを、世間一般にレズビアンと云うんだ」
アルマ
「でしたら、わたしもお母様を愛しておりますわ」
杏里
「それはマザコン」
アルマ
「もちろんお父様も愛しております」
杏里
「じゃ、ファザコン。いや両刀だからバイ?」
アルマ
「まあ、わたしバイでしたのね。いろいろな呼び方がございますこと。とても勉強になりましたわ」
杏里
「……大マジ? 念のため言っておくけど、他の人に自分がバイだ、なんて言いふらしたらダメだよ? 君が誤解される」
アルマ
「ふたりきりの秘密……ですの?」
杏里
「そう。ふたりだけの秘密、ふたりだけの時間、ふたりだけの愛! 愛には世の人の数だけ形があるんだ!」
アルマ
「わたしと杏里様にも?」
杏里
「もちろん! 教えてあげる、ボクの可愛い妖精さん? アン、ドゥ、トロワ、さあボクに合わせて愛のステップを踏み出そ───」
ウェルズ
「お待ちなさいッ! お嬢様になんと破廉恥な知識を吹き込まれているのですか!」
杏里
「かくして夢の宴は閉ざされん……ま、気をとりなおして。やあ、ウェルズさん」
ウェルズ
「お嬢様、勝手は困ります。外出の時には、必ずわたくしクインシー・ウェルズがご一緒するとあれほど!」
杏里
「(……無視された)」
アルマ
「すみません、杏里様と二人きりというお約束でしたので……」
ウェルズ
「わたくしにも、お父上との御約束がございます。万が一の事があれば、わたくしがどんな叱責を受けるかお判りですか!」
杏里
「待って、アルマを責めないで。彼女を呼んだボクに責任があるんだ」
アルマ
「いいえ杏里様、わたしこそ……」
ウェルズ
「かばうなど、もってのほかです! このゴミクズは学園一の問題児、要注意人物なのですよ!」
アルマ
「ウェルズさん、そのような……」
ウェルズ
「いいえいいえ、なりません。なにしろこの不良めは、目下あの連続婦女暴行事件の最たる容疑者なのです! 先ほどにしても、お嬢様の心の隙に取り入ろうと、愛だ何だと、虚言を並べ立てていたではありませんか!」
アルマ
「あのっ」
杏里
「ノンッ!! “愛”を語るとき、ボクはいつだって真剣だ! この胸に燃えさかる信念の炎に誓って嘘なんか!」
ウェルズ
「ふーんっ! レイプ犯の言うことなど誰が耳を貸しますかっ」
杏里
「だから犯人じゃないって!」
アルマ
「おやめなさいっ!」
ウェルズ
「は……はいっ!」
アルマ
「ごめんなさい、杏里様……非礼をお詫びいたします。これも、未熟なわたしを心配しての振る舞い。どうかお赦しください」
杏里
「いや、いいんだよアルマ」
アルマ
「ああ、聞き届けてくださって感謝いたしますわ。それと……」
ウェルズ
「……何です、お嬢様」
アルマ
「あの、よろしいでしょうか。
 杏里様は、浅学なわたしに、愛と性に関する知識を、親切にご教示くださっただけなのです。ですから、たとえ相手が凶暴で凶悪な婦女暴行犯であろうとも、この星に生まれた同じ人間として───」
杏里
「いやだからボクは違……」
アルマ
「ゴミクズとか、不良とか、ダメ人間とか、ドブネズミとか、ボウフラとか、酸性雨とか、高レベル放射性廃棄物とか、どうかそのような言葉を、お使いにならないでください」
ウェルズ
「……はい。申し訳ありません、お嬢様」
ウェルズ
「少々頭に血がのぼり口が滑りまして、誠に失礼いたしました、ゴミクズあらため杏里様」
杏里
「……何かひっかかるなあ」
アルマ
「ハイ、これで仲直りですわね。そろそろお部屋に戻りましょう。どうかまた、いろいろと教えてくださいましね、杏里様。では、ごきげんよう」
杏里
「あ、ごきげんよう」
ウェルズ
「ふんっ」
杏里
「……」
杏里
「……いい子なん……だけど……」
杏里
「……とってもピュア……なんだけど……」
杏里
「……ちょっと……不思議な子かな?」
PS(ポーラースター・セキュリティ)
「ここにいたな。さあ、我が学園の寄生虫、杏里・アンリエット、学園長がお呼びだ。来い!」
杏里
「痛い痛い! 耳引っ張らないで!」
杏里
「じ、次回は残る最後のヒロイン、悲しみの瞳、メランコリックベイビィ『アイーシャ・スカーレット・ヤン』を紹介するからね! あ痛たたたた!」

キャラクターデザイン
ミハイル・G

学園施設紹介・第3回 『ブリッジ』

PS
「杏里・アンリエットを連れてまいりました」
学園長
「遅い〜、待ちくたびれて首がキリンさ〜ん、パオパオーン」
杏里
「ボクは耳たぶ伸びちゃいましたよ。それにパオーンは象。でしょ? 学園長」
学園長
「だっけ。いやなに、あんたに、このカッコいいブリッジの紹介をして欲しいわけね」
杏里
「それでボクを? あーもうわかりました」


《ブリッジ(操舵室)》

杏里
「ここが操舵室です。ポーラースターの航行を司る場所です。学長室も兼ねています。終わりです」
学園長
「……素っ気ないな。もう少しあるでしょう。見晴らし最高! とか、船長は美人! とか」
杏里
「そう言われても、ボクがここに呼ばれるのは、いつも叱られる時ですし」
学園長
「退学とかね」
杏里
「……」
学園長
「いや、そんな目で見られても。潤いある学園生活を望むあたしだって、惜しいな〜とは思っているのよ。うん」
杏里
「学園長には感謝してますよ。退学までの執行猶予3週間、大切に使わせていただきます」
学園長
「じゃ恩返しと思ってキリキリ紹介して」
杏里
「アイアイ」
杏里
「えーと、操舵室は上甲板の前部にあって、許可なくしては学生の立ち入れない場所の一つなんだ。操船はぜんぶここで行われ、その全権を握っているのが、あの舵輪の前におわす三つ編みの人物……」
学園長
「それが、あたし。船長兼、学園長」
杏里
「いきなり海賊船に決闘を挑んだり、嬉々として暴風雨に突入したり、すごく危険な女性。ちょうど全長千メートルになるからって、船首像を蹴り落としちゃったのも、この人」
学園長
「海の上じゃ船長が法律だもん」
杏里
「なら退学命令撤回してください」
学園長
「あーそれは民主主義にのっとり多数決で可決された結果でありまして」
杏里
「学園長の意地悪」
学園長
「身の潔白を晴らせば退学はなくなるんだから。ま、がんばりなさいよ」
学園長
「それじゃ皆の衆、
 ヘイドーヴィセース!(スウェーデン語でまたね!)」
杏里
「あっ、ボクのセリフ! ちぇっ、
 次回は心やすらぐ憩いの場所『カリヨン広場』で君と毒手!」
天京院
「握手だ、握手」