蒐集箱サンプルテキスト(第三弾-未来編)
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■星継駅年代史(未来編)
(以下、本編より抜粋)
 それは航宙士の夢―――
 宇宙のどこかで、出会った誰かとの会話の記憶―――

―――まさかあんたが生きていて、そして出会えるなんてねえ。宇宙ではなにが起こったって不思議はないって言うけれど、さ―――

―――宇宙は、どこまでも広い。会えたのは、ま、奇跡ちうやつよなあ―――

―――アンタらも、あの駅から上がってきたってかい。

―――アンタ達が発った時、駅はどうなってた?

―――わたしらが発つまで、駅は宇宙とは、断たれていたんだよ。どういうわけかはしんないけど。

―――そんな、ことが―――

―――ま、俺らのあとがどうなったかは知らねえが、な。

―――どうでも、いい。どうせあそこには、アタシが知っている奴、アタシを知っている奴、誰一人いないだろうし。

―――長く、離れすぎた。もう、飛ぶ気もなくしちまうくらいに、さ―――

―――あんたは、疲れてるだけなんだよ。当たり前だよね。他のみんなは、みんないなくなってさ、ずっと一人で宇宙を旅してたんだ。

―――うん。疲れてる時は、故郷で骨休めってのが一番だ。

―――よせやい。そんな柄じゃないのさ。だいいち―――

―――帰り道が、判らないんだ―――

―――いいや、航図[チャート]はある、データは揃ってる、アタシの航宙艇は、どんな長旅にだって耐えられる。

―――だけどね、どんなに還ろうとしても、駄目だったんだね。何でか、正しい道から逸れちまうのさ。

―――そりゃあ、あんたの[えにし]が、あの駅とは、いったん切れちまったからなんじゃねえの?

―――そうかもね。だったら、余計還ったって意味がない。

―――でも、ほんとはさ、一度くらいは、もう一度大地上の地面、踏んでみたいんじゃないの、ゴドー。

―――そうかも、ね。でも言った通りだ。

―――アタシの帰り道はわやくちゃにこんがらがっちまって、解きようがないんだってば。

―――俺らが教えてやらぁな、帰りの道筋を。

―――わたいらは、まだあっちに帰るつもりはないけれど。あんたは。

―――友達との約束、あるんだろ?