(visual:竹村雪秀)

それは月の綺麗なある日の夜のおはなし。
誰が最初に言い出したか、たまには女性だけでの酒宴も良いだろうと言う話になって。
どこで見付け出したか、探し当てたか、奪ってきたか。どこからともあれ持ってこられた酒が持ち寄られて。
どうせならば渡し守の船の中で酒宴をしようじゃないかという話にもなって。
そんなこんなで集ったるや、乙女たち。

「乾杯」

と、楚々として始まった宴も、
夜も更け酒も進めば、いつしか、服も緩み心も弛む。
酔える者も酔えぬ者も、酒注ぎ交わし言葉を交わし、華やかな宴は続いていく。
静かな水面に浮かぶ渡し船に揺られながら、開いた障子から見える故郷の空とは違う星々の下で。