(visual:竹村雪秀) アーシェ 「ねえねえ、ナチュ。今度行くところはどんなところなの?」 ナチュ 「えっとね、川の近くにある村なので、美味しい魚が食べられるんだよ」 アーシェ 「川でお魚がとれるんだ!」 夜には火を囲み、昼はこうして荷馬車と共に、ナチュとその一行は旅を始める。 日和子 「クロちゃん、乗り物酔いがひどいみたい」 司書 「船乗りなのに酔いに弱いなんて大変そうね。無理そうなら早めに言うのよ。休憩は必要だわ」 クロ 「う、ううん、だいじょぶ……。クロ、がまんできるよ……。うぇ……えっぷ……」 マイの海 「良い心がけです。こうして耐え忍べていれば、きっと克服できるはずです」 日和子 「そうは言うけど、もし本当にダメそうなら言うのよ?」 風太 (うう、歩き始めてまだ全然時間が経ってないのに、もう足がパンパンになってる……ぼくも荷台乗せてもらうよう、お願いしようかな……) 旅慣れた者、慣れぬ者、それぞれ様々ではあるけれど。 エミリア 「ここはこういう所なのだ、と言ってしまえばそれまでなんだろうけど、どうしてこうなったのか、調べてみたくはある」 ルアハ 「エミリアはフィールドワークを得意とされていたと記憶しています。そのためでしょうか?」 エミリア 「ああ、あの昆虫は、どういう生態を持っているんだろう。全てを忘れて観察したい。いや……贅沢な話だね、それは」 弘 「そうだね。ここは、とても興味惹かれるものが沢山あるみたいだ。……そりゃ、ノブがはしゃいじゃう気持ちも分かるな」 この世界の様々なものを、歩みを進めながら、目に見、耳に聞きながら。 ナチュ 「あ、もう少し行くと、綺麗な水が湧き出てるところがあるんです。そこで少し休みませんか?」 アナ 「あと少しだけど、この子たちに無理をさせるのもかわいそうだし」 ナチュ 「えっと、すぐそこですよ」 彼女たちの長い旅は、まだまだ始まったばかり。
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